COPD(慢性閉塞性肺疾患)は主に喫煙によって起こる肺の炎症と破壊から息切れや咳・痰などの症状を起こし、心血管疾患、骨粗鬆症、やせ など全身の合併症を伴う病気です。日本におけるCOPDの潜在患者は、500万人を超えると予測されていますが、その90%は未診断であると推定されています。喫煙者の一部にしか発症せず、病態が複雑で未知の部分が多く、有効な治療薬が存在しないのが現状です。 当グループでは通院中の患者様のアンケートや各種検査結果をもとに、COPDにおける合併症の影響や呼吸機能などを解析・検討しています 。また患者臨床検体を用いて、網羅的遺伝子・蛋白発現解析や遺伝子多型研究を行い、病態解明にも努めています。基礎研究としては喫煙曝露装置を用いたマウスのCOPDモデル(肺気腫モデル)を扱い、病態解明や新たな治療法の発見に取り組んでいます。さらに、呼吸運動の非侵襲的モニタリングシステムの開発、CT画像と肺機能の関連の解析なども進めています。
研究グループ