当科 持丸貴生先生の論文がAllergology Internationalに採用されました
題名
Blood eosinophil and neutrophil counts differentially identify frequent exacerbation in patients with asthma-COPD overlap and COPD
邦題
末梢血好中球数はCOPD増悪を予測し、末梢血好酸球数はACO増悪を予測する
著者
慶應義塾大学医学部 呼吸器内科/国立病院機構東京医療センター アレルギー科 持丸貴生
掲載ジャーナル
Allergology International
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33087300/
論文要旨
背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)増悪は低肺機能や予後不良と相関する重要な病態である。一方、COPDと気管支喘息が合併するAsthma-COPD overlap(ACO)は頻回の増悪を来す一群であるが、ACOにおける増悪予測因子の検討は乏しい。
方法
「COPDとその併存症に関する前向き調査研究(K-CCR)」に参加したCOPD患者393名を対象とした。喘息合併のないCOPD群とACO群で増悪に関わる因子の比較を行なった。
結果
COPD群(311名)と比較してACO群(82名)はCAT高値、QOL低下を認め、増悪頻度が高かった。それぞれの群の増悪予測因子の検討の結果、COPD群においては末梢血好中球数、ACO群では好酸球数がその候補となった。ROC曲線を用いたそれぞれの増悪予測の閾値は好中球2,754/μL (AUC 0.60、感度 94.9%、特異度 27.3%)、好酸球157.2/μL(AUC 0.73、感度 80%、特異度 65.4%)であった。
結論
COPD単独群と比較してACOはコントロールが不良で、COPD・ACOの増悪の予測因子はそれぞれ末梢血好中球数、好酸球数であることが示された。
本論文の与えるインパクトや将来の見通し
喘息合併の有無によりCOPD増悪の予測因子となる末梢血球細胞が異なり、それぞれの病態を反映している可能性が示唆された。
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