題名
Non-cardiogenic pulmonary oedema caused by iodine contrast medium
邦題
ヨード造影剤による非心原性肺水腫
著者
慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 長尾元太(済生会宇都宮病院出向中)
掲載ジャーナル
BMJ Case Reports
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33298504/
論文要旨
気管支喘息や食物・薬剤アレルギーの既往のない44歳女性。非イオン性ヨード造影剤を投与してCTを撮影した直後に呼吸困難と低酸素血症が出現した。抗ヒスタミン薬や全身性ステロイド薬の投与では改善なく、画像検査を経て非心原性肺水腫と診断した(図)。侵襲的陽圧換気を行ったところ速やかに呼吸状態は改善し、4日目に抜管して9日目に後遺症を残さずに退院した。
本論文の与えるインパクトや将来の見通し
ヨード造影剤による非心原性肺水腫は化学毒性による血管内皮細胞の損傷により引き起こされる。そのため抗ヒスタミン薬、エピネフリン、ステロイドの効果は限定的であり、速やかな陽圧換気が重要である。