Achievements(呼吸器内科からのお知らせ)
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当科 西江美幸先生の論文がBMJ Case Reportsに採用されました

題名

Bilateral pneumothorax after acupuncture treatment

邦題

鍼治療後に両側気胸をきたした一例

著者

慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 西江美幸

掲載ジャーナル

BMJ Case Reports

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33649032/

論文要旨

BMI 16.9で呼吸器疾患の既往のない31歳の女性医師が、鍼治療30分後に胸部違和感を訴え、Ⅰ度両側気胸と診断された。解剖学的には肩甲挙筋肩甲骨上角停止部周囲の皮下組織が薄く、鍼が胸膜に達しやすい。超音波で確認した患者の同部位の表皮から臓側胸膜までの厚さが22 mmであったことから、容易に鍼が臓側胸膜まで達することが判明した。施術者は患者に合った適切な鍼を選択すること、潜在的な気胸の可能性を考え、施術直後から翌日以降についても症状の出現に気を配るように患者に促す必要がある。

人のレントゲン写真
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本論文の与えるインパクトや将来の見通し

鍼灸は日本でも身近に行われている治療の1つである。気胸は、鍼治療後の最も一般的な重篤な合併症として知られているが、本症例報告により「施術直後は疼痛や感覚鈍麻が現れて気胸発症時の症状に気づきにくいため、潜在的に医原性気胸を起こしている可能性がある」ということが周知される。