Achievements(呼吸器内科からのお知らせ)
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当科出身、埼玉医科大学呼吸器内科専任講師の白畑亨先生の論文がRespirology Case Reportに採用されました

題名

Video-assisted thoracic surgery for a case of chronic progressive pulmonary aspergillosis undergoing haemodialysis complicated by anorexia nervosa: a case report.

邦題

神経性食欲不振症に合併し外科手術を要した慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)の1例

著者

埼玉医科大学 呼吸器内科 白畑亨

掲載ジャーナル

Respirology Case Report

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33664960/

論文要旨

症例は37歳女性。神経性食欲不振症(Anorexia nervosa: AN)に伴う腎障害で透析も導入されている。X年8月に胸部異常陰影の精査のため当院に紹介された。画像上、右上肺野に壁肥厚を伴う空洞を認め、精査の結果、慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)と診断された。抗真菌薬や気管支動脈塞栓術で加療されたが喀血のコントロールが不良のため、最終的にX+5年1月にvideo-assisted thoracic surgery (VATS)が行われた。低BMIや透析等で外科的加療の高リスクと思われたが術後経過は良好である。ANに伴う低栄養状態と透析による免疫能低下を背景としたCPPA症例であり、文献的考察を含め報告した。

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

ANに伴う肺アスペルギルス症の外科的加療の報告はこれまで数例しかなく、全例が肺アスペルギローマ(SPA)である。本症例は過去の症例と比較して①ANの罹患歴が長く、②腎機能障害も合併し、③CPPAであることからかなりの手術リスクがあったが成功した。今後同じような全身状態不良例に対してVATSは有効な治療選択肢の1つとなりうるため報告した。