題名
The product of trunk muscle area and density on the CT image is a good indicator of energy expenditure in patients with or at risk for COPD.
邦題
CT画像から得られる体幹筋の面積と密度の積はCOPD患者のエネルギー消費量を反映する指標となる
著者
埼玉医科大学 呼吸器内科 白畑亨
埼玉医科大学 呼吸器内科 仲村秀俊
掲載ジャーナル
Respiratory Research
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33451329/
論文要旨
背景
COPD患者のサルコペニアやそれに伴う活動性の低下は予後不良に直結するが、胸部CTから得
られる筋肉指標とエネルギー消費量に関する報告はこれまでにない。そこでCOPD患者の胸部CTから
測定した筋肉の横断面積や密度がエネルギー消費量(TEE)などと関連するかを検証した。
方法
埼玉医科大学に通院する36人の男性COPD患者(GOLD 0〜4)についてTEEは二重標識水法で、
身体活動レベル(PAL)はTEE / BMRとして計算した。画像解析ソフトを用いて胸筋、腹直筋、および脊柱
起立筋の断面積と密度を測定した。
結果
全ての筋肉横断面積はTEE、LAA%、BMI、FFMなどの体組成と有意に相関した。また全ての体幹
筋密度はPALと相関した。その中で腹直筋の面積と密度の積はTEE(r = 0.732)とPAL(r = 0.578)と最も
高い相関を示した。
結論
CT画像を用いた体幹筋の測定はCOPD患者の身体組成と活動量の評価に有益と考えられた。ま
た体幹筋の面積と密度の積はTEEとPALを反映する有用なマーカーになる可能性がある。
本論文の与えるインパクトや将来の見通し
CTを用いた筋肉の画像評価は主に面積にfocusされているが、筋肉の密度も重要である可能性が示唆された。また面積と密度の積はこれまでに報告がなく、今後身体活動性を評価する上で新たな指標となる可能性がある。