Achievements(呼吸器内科からのお知らせ)
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当科・中村守男先生らの論文がCureusに掲載されました

題名

Omission of Throat Anesthesia Using Jackson's Spray Prior to Bronchoscopy for Preventing Aerosol Generation: A Survey Through Patient Distress Questionnaire

邦題

エアロゾル発生防止のため気管支鏡検査前のJackson's Sprayでの咽頭麻酔省略による患者苦痛度調査

著者

Saori Murata 1, Shinji Sasada 1, Yusuke Usui 1, Tetsuya Sakai 2, Keisuke Kirita 1, Kota Ishioka 1, Saeko Takahashi 1, Morio Nakamura 1

1. Department of Pulmonary Medicine, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan.

2. Department of Thoracic Oncology, National Cancer Center Hospital East, Kashiwa, Japan.

掲載ジャーナル

Cureus 2021; 13 (8): e17231.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34540458/

論文要旨

背景・目的:COVID-19禍において、日本呼吸器内視鏡学会は気管支鏡検査前のJackson's sprayによる咽頭麻酔の省略を推奨している。本方式による患者の気管支鏡検査への忍容性を調査した。方法:A群は気管支鏡検査前にJackson's sprayを用いた4%リドカイン5mLの咽頭麻酔を行い、その後塩酸ペチジンとミダゾラムを静脈内投与した。B群は気管支鏡検査前にJackson's sprayによる麻酔を行わず、塩酸ペチジンとミダゾラムを投与し、8%リドカインを咽頭部に数回噴霧した。各群に5段階スコアに分類したアンケートを実施した。結果:70名の患者が本研究に参加し、背景に有意差はなかった。検査前の麻酔による苦痛はA群がB群に比べ有意 (3.03 ± 1.25 v.s. 1.23 ± 0.62; p<0.0001)、他の質問項目では有意差は認められなかった。結論:気管支鏡検査前のJackson's sprayによる咽頭麻酔の省略に対する患者の忍容性が示された。

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

COVID-19が未だに蔓延する中、気管支鏡検査前の咽頭麻酔を省略することの被験患者の影響を、スコア化により定量的に評価して忍容性を明確にした。本検査の際、術前のエアロゾル発生のリスク回避に寄与する知見であろう。

本題の要旨は東京都済生会中央病院専修医発表会 (2020年2月) で発表した (演者:村田支優、最優秀演題受賞)。