Achievements(呼吸器内科からのお知らせ)
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当科・中村守男先生らの論文がJ Investig Med High Impact Case Repに掲載されました。

題名

A Case of Intravascular Diffuse Large B-Cell Lymphoma Initially Suspected as Interstitial Pneumonia Associated with Systemic Scleroderma

邦題

全身性強皮症に伴う間質性肺炎が疑われ、血管内びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された1例

著者

Tomoyo Oguri 1, 2, Shinji Sasada 1, Yuki Aramaki-Sumii 1, Yumi Tsuchiya 1, Kota Ishioka 1, Saeko Takahashi 1, Hisako Kunieda 1, Yoshifumi Kimura 1, Reishi Seki 1, Shigemichi Hirose 1, Morio Nakamura 1

1. Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan.

2. St. Marianna University, Kawasaki, Kanagawa, Japan.

掲載ジャーナル

J Investig Med High Impact Case Rep 2021; 9: 1-4. 2324709621999226.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33736495/

論文要旨

血管内大細胞型B細胞リンパ腫 (IVLBCL) は、びまん性LBCLの稀な形態である。

症例は71歳女性、低酸素症を呈し入院した。胸部CTで両肺にすりガラス影 (GGO) を認め、抗セントロメア抗体が陽性であり、全身性強皮症に伴う間質性肺炎が疑われた。ステロイドパルス療法でGGOは改善したが、両側胸水貯留および低酸素血症の悪化、肉眼的血尿および尿蛋白陽性と腎機能障害を認めた。全身性強皮症に伴う腎障害の出現と判断し、血漿交換とエンドキサンパルス療法を施行したが改善しなかった。入院時よりLDH高値、可溶性IL2R高値であったことよりランダム皮膚生検を行ったところ、血管内にCD5・CD20・CD79a陽性の不整大型異型核をもつ大型細胞の集簇を認め、IVLBCLと診断された。リツキシマブと化学療法を開始した。

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

IVLBCLの症状・病態は様々であり、本疾患を鑑別に挙げ早期の皮膚生検施行が診断には必須である。本例は、自己抗体陽性で呼吸器症状が主体であり、膠原病関連間質性肺炎との鑑別を要した教訓的な症例である。

本題の要旨は第116回日本内科学会総会日本内科学会ことはじめ (2019年4月名古屋) で発表した (演者:荒巻由紀)。