題名
A Case of Guillain-Barré Syndrome and Stevens-Johnson Syndrome/Toxic Epidermal Necrosis Overlap after Pembrolizumab Treatment
邦題
ペムブロリズマブ投与後、ギラン・バレー症候群とスティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症オーバーラップを発症した1例
著者
Tomoyo Oguri 1, 2, Shinji Sasada 1, Satoko Shimizu 1, Risa Shigematsu 1, Yumi Tsuchiya 1, Kota Ishioka 1, Saeko Takahashi 1, Koichi Oki 1, Yoshifumi Kimura 1, Reishi Seki 1, Shigemichi Hirose 1, Morio Nakamura 1, 3.
1. Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan.
2. St Marianna University, Kawasaki, Kanagawa, Japan.
3. National Hospital Organization Kanagawa Hospital, Kawasaki, Kanagawa, Japan.
掲載ジャーナル
J Investig Med High Impact Case Rep 2021; 9: 1-4. 23247096211037462.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34344201/
論文要旨
症例は76歳男性、肺腺癌Stage IVに対するペムブロリズマブ投与により、Grade (G) 3の免疫関連有害事象 (irAE) として顔面神経麻痺・構音障害・嚥下障害を呈し、ギラン・バレー症候群 (GBS) と診断され、メチルプレドニゾロンパルス療法を施行された。施行5日後より全身の皮膚に紅斑・水疱・びらんが出現、さらに口腔粘膜にもびらんを認めたため皮膚生検を施行したところ、G3のStevens-Johnson症候群 (SJS) /中毒性表皮壊死症 (TEN) オーバーラップと診断された。免疫グロブリンを追加投与したところ、皮膚症状・神経症状ともに改善した。ペムブロリズマブの治療効果として部分奏功を認めていたが、ステロイド・免疫グロブリン投与後は腫瘍増大を認めた。irAEとしてともに重症のGBSとそれに引き続いて、SJS/TENオーバーラップを発症した稀な1例を経験した。
本論文の与えるインパクトや将来の見通し
本例はペムブロリズマブによるirAEとして初めて報告された、GBSとSJS/TEN overlapの症例である。
本題の要旨は第116回日本内科学会総会日本内科学会ことはじめ (2019年4月名古屋、演者:清水智子) および第185回日本肺癌学会関東支部学術集会 (2019年7月東京、演者:茂松梨咲) で発表した。