Achievements(呼吸器内科からのお知らせ)
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寺井秀樹講師らの論文がRespir Investigに掲載されました。

題名

Comprehensive analysis of long COVID in a Japanese nationwide prospective cohort study

掲載ジャーナル

Comprehensive analysis of long COVID in a Japanese nationwide prospective cohort study - PubMed (nih.gov)

【邦題】日本における前向きコホート研究でのコロナ罹患後症状に関する包括的な解析

【著者】 寺井秀樹

論文要旨

本研究は日本におけるコロナ罹患後情報を調査することを目的として行われた、全国規模の初めての前向きコホート研究である。

コロナ第1-3波の期間に全国の26の医療機関で入院し、退院した18歳以上のCOVID-19患者を対象として、前向きコホート研究を実施した。研究への参加に同意した合計1200人の患者が登録され、診療情報を各施設から、罹患後症状に関する情報は、患者からスマートホンアプリもしくは紙媒体でのアンケートによって収集した。

診療情報とアンケート結果の両方が揃った1066人のデータを解析したところ、少なくとも1つのコロナ罹患後症状を有する患者の割合は、入院中の93.9%(1009人中947人)から、3か月 46.3%(935人中433人)、6か月 40.5%(865人中350人)、そして12か月 33.0%(724人中239人)と時間経過とともに減少した。少なくとも1つのコロナ罹患後症状を有する患者は、罹患後症状を認めない患者と比較してQOLが低かった。また、多変量解析の結果、1つでも罹患後症状を有するリスクは、"女性"、"中年(41-64歳)"、"酸素需要"、"挿管もしくはECMOの使用"の4つであった。

【本論文の与えるインパクトや将来の見通し】

日本におけるコロナ罹患後症状の分布とリスクを明らかにした。本研究結果は日本におけるコロナ罹患後症状研究の基盤となるデータであると考えられる。