留学便り

寺井秀樹先生 – 留学先:Dana-Farber Cancer Institute

Q1 寺井先生の経歴を教えてください。

Dana-Farber Cancer Institute

2004年に慶応義塾大学医学部を卒業後、済生会神奈川県病院にて2年間初期臨床研修を行いました。2006年に慶応義塾大学医学部内科に入局、慶応義塾大学病院と川崎市立井田病院で内科全般の研修をした後に、2008年4月に同呼吸器内科に帰室。呼吸器内科を中心とした臨床業務を経験すると共に、副島研造先生の指導のもと肺癌に関する基礎研究及び臨床研究に携わりはじめました。2009年8月からは、呼吸器内科での業務と並行して、医学部附属クリニカルリサーチセンターにて、国際治験や臨床研究についても学びました。2012年4月から国家公務員共済組合連合会立川病院呼吸器内科に赴任しました。2014年3月に肺癌細胞の薬剤耐性メカニズムに関する報告(Mol Cancer Res. 2013)に基づき学位を取得、2014年7月からDana Farber Cancer InstituteのMedical oncology部門にPostdoctoral Fellowとして勤務を開始しています。

Q2 留学先での研究や生活について教えてください

Primary investigatorのPeter Hammermanはがんゲノムアトラスプロジェクトでの次世代シークエンサーを用いた肺扁平上皮癌の解析で中心的な役割を果たした方で、自分も留学当初は肺扁平上皮癌に多く集積することが報告されているDDR2遺伝子変異に関する研究に関わりました(ACS Cham Biol 2015, Mol Cancer Ther 2015)。現在は日本で行っていた研究テーマに近い、肺癌細胞の薬剤耐性メカニズムの解明についての研究を行っています。次世代シークエンサーやCRISPR/Cas9による遺伝子改変技術を用いたアプローチにより、肺癌細胞がどのように薬剤に対して耐性を獲得していくのか、またそれを防ぐにはどのような手段が有効かといったことを調べています。

Q3 留学の楽しいこと、つらいことを教えてください

世界各国からの留学生がいることで、様々な文化や考え方に触れる事ができ、勉強になると共に、日本人の文化や考え方についても再認識することができます。またボストンで活躍されている様々な分野の日本人の方と、知り合う機会も多く、色々な話を聞くことができます。ボストンの夏は自然豊かで素晴らしい環境ですが、冬の寒さに関しては北国に住む経験のなかった自分にはなかなか慣れることができず苦労しています。

Q4 医局の後輩、入局を考えている方へメッセージをお願いします

呼吸器科に興味を持っている皆さん、是非一緒に頑張りましょう。