留学便り

新美京子先生 – 留学先:University of Sydney

呼吸器内科から留学されていた新美先生からのメッセージを紹介しております。
ぜひご覧下さい。

Q1 新美先生の経歴を教えてください

新美 京子(にいみ きょうこ)
Postdoctral Fellow, Cell Biology, Woolcock Institute of Medical Research, University of Sydney

慶應義塾大学医学部内科学教室に入局、内科医として4年間の研修を行い、2003年に慶應義塾大学医学部呼吸器内科に帰室しました。その後は浅野浩一郎先生の指導のもと呼吸器内科医としてのトレーニングを積みながら気管支喘息、特に気道平滑筋細胞の生物学に関する研究に従事しています。2005年には国立感染症研究所ウイルス第三部にてウイルス感染実験を学び、2009年から石坂彰敏前教授、別役智子教授のご高配によりシドニー大学に留学の機会を与えていただきました。

シドニーは世界遺産であるオペラハウスやハーバーブリッジという有名な建造物があるオーストラリア最大の都市ですが、それに加え、美しい海や豊かな自然も魅力の一つです。留学先であるシドニー大学は、オーストラリア初の大学であり、英国調の美しい外観の建物と近代的設備の整った建物がシドニー市街地からほど近いキャンパス内に点在しています。

Q2 新美先生の研究のテーマは?

私は薬理学教室の呼吸器グループに所属し、シドニーのいくつかの病院と連携して得た様々な呼吸器疾患患者の手術検体、生検検体から直接単離した気道構成細胞を用いて、その生物学的解析を行っていました。つまり、実験はまず病院に検体を取りに行くところから始まります。予定手術に加え、緊急の肺移植があった際には渡されているポケットベルが鳴り(1か月に1週間程度の当番が回ってきます。)病院に取りに行かねばなりません。言葉の壁に加えて、日本の病院と同様に院内は迷路・・・慣れるまでには時間がかかりましたが同僚に助けられ、なんとかやっていくことができました。多民族国家のオーストラリアらしく、研究室には様々な国籍の研究者がいます。異なるバックグラウンドを持つ研究者を志す人たちとの研究生活からは、日本で臨床を続けながらの研究では得られない多くの刺激を受けました。

Q3 留学中に経験した楽しかったこと・つらかったことは?

呼吸器内科からは毎年多くの医局員が海外留学していますが、その行先のほとんどがアメリカです。オーストラリアへの初めての留学者という事もあり、留学前には不安ばかりでしたが、気が付けば研究だけでなく、多くの友人を作り、誘われるままにテニスやサーフィン、最後にはフルマラソンも走るようになり、留学生活を満喫することが出来ました。

Q4 最後に入局を考えている方へメッセージをお願いします

呼吸器に興味を持っているみなさん、臨床だけでなく、研究のActivityも高い慶應の呼吸器内科で一緒に頑張っていきませんか?医局員一同お待ちしています!

(interviewer:南宮 湖)