留学便り

依田聡先生 – 留学先:Massachusetts General Hospital

Q1 依田先生の経歴を教えてください

Massachusetts General Hospital

依田 聡(よだ さとし)
Research fellow, Cancer Center, Massachusetts General Hospital

2003年に慶應義塾大学医学部内科学教室に入局し、2年間の大学での研修後、けいゆう病院と静岡赤十字病院での内科全般の臨床研修を終えました。2007年に慶應義塾大学呼吸器内科に入局し、副島研造先生のもとで肺癌の研究に従事しました。2011年より埼玉メディカルセンターに呼吸器内科医として勤務する傍ら、2014年に別役智子先生の指導のもと博士課程を修了しました。2015年4月より、米国ボストンの Massachusetts General Hospital (MGH) に留学しています。

Q2 留学先での研究や生活について教えてください

Massachusetts General Hospital

Jeffrey Engelman 先生、Alice Shaw 先生の研究室で、肺癌の分子標的薬、特にALK、ROS1、RETに対する分子標的薬の基礎研究を行っています。Harvard 大学医学部の関連病院であり、2015年も全米1位の病院としてランキングされた MGH の臨床現場から日々臨床検体が届く環境です。ボストンは、入植時代の古い建物を残した美しい街で、Harvard、MIT といった世界有数の大学を抱えています。あらゆる分野の優れた研究者が多く住んでいて、近所付き合いから、未知の分野の知識を得られるような刺激に富んだ環境です。

Q3 留学の楽しいこと、つらいことを教えてください

楽しいことは、30歳代にして全く新しいことにチャレンジできることだと思います。医学は Science であり、未知への探求の連続が現在の技術を作りました。臨床から一歩離れ、研究に没頭することも医師に与えらた役割の一つだと思っています。つらいことは、やはり言葉の壁です。Discussion で自分の考えていることが十分に伝えられない時は、悔しくなります。ただ、それを乗り越えて、成長していく自分を感じるというのは、壁に向かって経験できる喜びです。

Q4 医局の後輩、入局を考えている方へメッセージをお願いします

慶應呼吸器内科の入局して、自分が獲得した一番大きなものは、確かな臨床の知識と技術です。それを与えてくれたのは、尊敬すべき先輩と一緒に成長してきた仲間たちです。その一方で、研究も医師に与えられた役割であり、今はそれに専念する機会を得ています。慶應呼吸器内科は、臨床と研究の両軸を習得する場所として、魅力ある場所であると思いますし、これからも、そうあり続けるよう頑張る仲間として、お会いできることを楽しみにしています。